幼児教育の環境

子どもにはどこで育つのかを選ぶ権利はありません。ですから、親や社会がしっかりと子どもが育つための良い環境を整える必要があります。「幼児教育における環境」はすべて「大人の責任」だということです。

まったくゲームに興味がない親でも、買う前にきちんと説明書きなどで内容を把握して、これはだめ、これは良いと判断できます。しかし自分には分からないからと、有害無害の判断をする行為すらしないで無責任に子どもに与えてしまう親もいます。
自分には分からないものだから「悪いものだ」と決めつけて取り上げてしまうか、それとも分からないから「適当に」与えてしまうのか。大人が有害だと判断したものが全部本当に有害かと言うと、それは違います。

幼児教育では、有害と判断したものを無条件に排斥したがる傾向があるように思います。むやみに排除することが「幼児教育の良い環境」ではありません。

例えば、ケンカ。
兄弟のいない子どもは喧嘩をする機会が少なく、自分が痛い思いをしないから、他人を傷付けたら、その人がどんなに痛いかということが分からないまま成長すると聞きます。この喧嘩という行為は一見すると有害ですが、他人の痛みが分かるようになり、手加減が出来るようになる、という点では必要な行為でもあります。
有害と思われるものの中にも、子どもが精神的に成長するために必要なものが含まれる可能性がありますから気をつけて判断しないと子どもが自ら学ぶ機会を奪いかねません。

幼児教育における環境とは、例えれば、幼児が魚であれば、どんな水で育ったか? ということに似ています。人間の人格形成において、その生まれより育った環境の方が大きく影響するといわれています。環境次第で子どもの能力は変化するからです。
子どもの五感は大人より研ぎすまされ、何にでも敏感に反応し、そしてそこから吸収するのです。小さい子は特に体験から多くを学びます。

できるだけ自然に触れるというのも、育っていく中で大切な環境の一つです。ただ、現在の社会環境ではなかなかその機会も少なくなっていることは、残念です。
また、感覚的なものだけでなく、協調性、社会性、道徳などを身につけるためには、自分以外の人との交流が必要です。社会秩序、妥協、我慢など人として必要なことを学ぶためには、ある程度の大人数の中で活動するという環境も必要です。幼稚園、保育園などは、こうした協調性などを学ぶための場所でもあるのです。
また、年長の子が年少の子の面倒を見られる環境があれば、どちらにとっても良い環境と言えます。

感覚的なことを養う環境、精神的なことを養う環境、この二つがバランス良く整っている環境こそが、幼児教育にとっての理想の環境と言えるでしょう。
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